離婚に際して住宅ローンの問題は、財産分与や親権と並んで複雑になりやすい問題のひとつです。
特にフラット35を夫婦で収入合算して組んでいた場合、離婚後の処理を誤ると長期にわたってトラブルが続くことがあります。
目次
離婚とフラット35のよくある問題パターン
① 収入合算・連帯債務のケース
夫婦の収入を合算してローンを組んでいた場合、離婚後も両者がローンの責任を負い続けます。一方が「払わない」と言っても、もう一方に請求が来ます。
② 一方が住み続けてもう一方が返済するケース
よくあるのは「子どものために妻が住み続け、夫が返済する」という取り決めです。しかしこれは非常にリスクが高い。夫の収入が減ったり再婚で生活が変わったりすると、返済が止まります。
③ 名義の問題
不動産の名義とローンの名義が異なることで、売却や借り換えが難しくなるケースがあります。
離婚後に一人で返済するリスク
収入が減るのに返済額は変わらない
二人分の収入を前提にしてローンを組んでいた場合、一人になると収入が半減するのに返済額は同じです。これが最も多い滞納の原因です。
相手が返済を止めるリスク
相手名義で返済していた場合、連絡が取れなくなったり返済が止まったりすることがあります。しかし連帯債務・連帯保証人になっていれば、自分への請求は止まりません。
売りたくても売れない
共有名義の不動産は、両者の同意なく売却できません。離婚後に連絡がとれなくなった相手の同意が得られず、身動きがとれないケースが現場では多くありました。
対処法
① 離婚前に家の扱いを決める
離婚協議の段階で「家を売る・どちらかが買い取る・どちらかが住み続ける」を明確に決め、公正証書に残すことをおすすめします。口頭の約束は後からトラブルになります。
② 売却を検討する
ローン残債より高く売れる場合は、売却して残債を返済し、残りを財産分与するのが最もシンプルです。売却益がない(オーバーローン)場合は任意売却という選択肢があります。
③ 名義変更・借り換えを検討する
一方が住み続ける場合は、住む方への名義変更と借り換えを検討します。ただし借り換え審査に通るだけの単独収入が必要です。
④ 専門家に相談する
離婚と住宅ローンが絡む案件は、一般の法律相談より、離婚・不動産・ローンの複合的な知識を持つ専門家への相談が有効です。
まとめ
- 収入合算のローンは離婚後も両者の責任が続く
- 「相手が払う」という口約束は非常にリスクが高い
- 離婚前に家の扱いを決め、公正証書に残すことが重要
- オーバーローンで売れない場合は任意売却が選択肢になる
この記事を書いた人:フラット35専門の債権回収現場で20年以上勤務。数百件の案件対応経験をもとに、借り手側に役立つ情報を発信しています。