フラット35の返済が苦しくなったとき、すぐに競売や任意売却を考える必要はありません。
まず使えるのが、返済条件変更(リスケジュール)という制度です。
この記事では、リスケとは何か、どんな条件なら通るのか、申請のタイミングと手順をお伝えします。
目次
返済条件変更(リスケ)とは
リスケとは、現在の返済計画を変更し、月々の返済額を一時的に減らしてもらう制度です。フラット35(住宅金融支援機構)では、一定の条件を満たす場合にこの変更を認めています。
主な変更内容は以下の2種類です。
① 返済期間の延長
残りの返済期間を延ばすことで、月々の返済額を減らします。例えば残り20年のローンを25年に延長すれば、単純計算で月々の負担が減ります。ただし、総返済額は増えます。
② 元金の据え置き(利息のみ返済)
一定期間、元金の返済を止めて利息だけを払う方法です。その期間の月々負担は大幅に下がりますが、据え置き期間終了後は月々の返済額が増えます。
リスケが通りやすい条件
現場で見てきた経験から、リスケが認められやすいケースには共通点があります。
一時的な収入減少が原因である
病気・怪我・育休・一時的なリストラなど、「一定期間後に収入が戻る見込みがある」ケースは通りやすいです。永続的な収入減少よりも、一時的な事情の方が交渉しやすい。
滞納が始まる前か、滞納初期に申請している
「苦しくなってきた」段階での申請が最も通りやすいです。滞納が長期化してから申請しても、機構側の対応が限られてきます。
他の借入が少ない
カードローンや消費者金融の残高が多い場合、「本当に返済能力があるか」を疑問視されることがあります。住宅ローンに集中できる状態かどうかが判断材料になります。
誠実に連絡・説明をしている
これは数字では測れませんが、現場では実際に影響します。事情をきちんと説明し、今できる範囲の返済意思を示している人は、担当者も動きやすい。
申請の手順
- 機構またはサービサーに連絡する
まず電話で「返済条件の変更を相談したい」と伝えます。担当者が案内してくれます。 - 必要書類を準備する
収入を証明する書類(源泉徴収票・給与明細・確定申告書など)と、返済が苦しくなった事情を説明する書類が求められることが多いです。 - 申請書を提出する
所定の申請書に記入し、書類とともに提出します。 - 審査・回答を待つ
審査には数週間かかるのが一般的です。この間も返済できる分は返済を続けることが望ましいです。
リスケを申請する前に確認すること
リスケはあくまで「返済を先送りする」制度です。返済総額が増えることを理解したうえで申請する必要があります。
また、リスケが認められても、その後の返済が再び滞ると、次の交渉は難しくなります。「これを機に生活を立て直す」という前提で使う制度です。
もし収入の回復が見込めない場合は、リスケより任意売却や法的手続きの方が長期的に有利なケースもあります。判断に迷う場合は、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。
まとめ
- リスケには「返済期間の延長」と「元金の据え置き」がある
- 一時的な収入減少で、早めに申請するほど通りやすい
- 滞納が始まる前の相談が最も選択肢が広い
- リスケは総返済額が増えるため、あくまで立て直しのための制度として使う
この記事を書いた人:フラット35専門の債権回収現場で20年以上勤務。数百件の案件対応経験をもとに、借り手側に役立つ情報を発信しています。