親が亡くなったときに慌てないよう、親が亡くなる前に遺言や相続の準備をすることが重要です。なぜなら、親が亡くなったときというのは、その悲しみにひたる時間もないほどに、とても多くのことをやる必要があるからです。
私は普段からFPとしても債権回収会社勤務者としても、周囲の相談を数多くうけています。この記事では、親が死ぬ前にやっておくべきことについて、必ず知っておいてほしいことを盛り込みます。詳しく説明するので、参考にしてください。
目次
親の「財産」について把握する
親が死ぬ前に、財産に関する情報を整理し、家族や友人に伝えておくことが望ましいです。特に、生命保険や医療保険などは、死亡時に家族にとって重要な役割を担うことになります。
他にも、不動産や預貯金、株式や骨董品など、とにかくどんなものがあるのかを事前に知っておくと良いでしょう。親が亡くなってから把握することはとても難しく、場合によっては見落としてしまうものもあるのです。
具体的な手順について確認していきましょう。
親の財産を整理するためのインベントリー作成
インベントリーは、英語で「在庫」や「目録」という意味を持ちます。この記事では「財産の目録」のことだと考えてください。簡単に言うと、持っている財産を一覧にしたものです。
親の所有する財産を正確に管理するステップとして、まずはその一覧を作ることが大切です。ここではインベントリーの作成方法について詳しくご説明します。
1. 財産のカテゴリーを分ける
親の持っている財産をカテゴリーごとに整理します。
例: 不動産、金融資産、宝石など。
2. 財産をリスト化する
カテゴリー毎に財産をリスト化します。
例: 不動産なら、物件名や住所。金融資産なら、預金の金額や投資の内容。
3. 詳細情報を追記する
リストにした財産に、さらなる詳細を記入します。
例: 不動産なら、面積や収益。金融資産なら、投資先や現在の残高。
4. インベントリーを保存する
作ったインベントリーは、電子データや紙の形で整理して保存します。保存の仕方は、自分の好みに合わせて選んでください。
インベントリー作成の注意点
インベントリーを作成する際には、法律上の問題を避けるために、適切な手続きを行う必要があります。例えば、不動産に関しては、土地家屋調査士による不動産鑑定書を取得する、金融資産に関しては、各金融機関から資産評価書を取得するなどが望ましいです。
インベントリーを作成することで、親の財産を管理するために必要な情報を網羅することができます。また、未来の財産運用に向けた計画を立てるための基礎データとしても役立ちます。
自分でインベントリーを作成するのは大変、具体的にどうやったら良いかわからない、という場合には、財産管理の専門家に依頼することもおすすめです。
親の「遺言」を書くことの重要性 を知っておこう
遺言書は、死後に家族や友人が守るべき願いを書き留めたものです。遺言書には、財産の配分や葬儀の準備などに関する願いが書かれていることが多いです。遺言書は、生前に書いておくことで、家族や友人が望むように遺された遺産を管理することができます。
遺言書の種類には、財産遺言書、生前遺言書、遺言書手役の3つがあります。財産遺言書は、死後に財産をどのように配分するかを決めるために使用されます。生前遺言書は、病気や障害があった場合に、生前に決めておいた願いを実現するために使用されます。遺言書手役は、遺言書を作成するために、遺言人が不在の時に使用されます。
遺言書の有効性の確認方法は、遺言書を書いた後に、公正証書人によって確認されることです。遺言書は、遺言人が意思を表明した時に、遺言書を作成し、公正証書人に確認をして有効とされます。
遺言書の種類は３種類
遺言書の種類には以下のようなものがあります。
- 財産遺言書
- 生前遺言書
- 遺言書手役
それぞれの違いについてみていきましょう。
財産遺言書
相続人や遺産の分配方法などに関する遺言を記したものです。財産遺言書は、不動産や財産などに関する遺言を記載することができます。
生前遺言書
自分が生きている間に遺言をすることができるもので、相続に関する遺言を記載することができます。
遺言書手役
遺言書を公認するために、公証人が遺言書に署名をすることで、遺言書を公的に認めたものになります。
遺言書の有効性の確認方法
遺言書の有効性の確認方法について確認していきましょう。
公認を受ける
遺言書を公認することで、遺言書の有効性を確認することができます。
遺言書手役を確認する
遺言書に対して、公証人が署名しているかどうかを確認することで、遺言書の有効性を確認することができます。
遺言書の内容を確認する
遺言書に記載されている内容が現実に適用可能かどうかを確認し、遺言書の有効性を判断することができます。
法的な手続きを踏む
相続に関する法的な手続きを踏むことで、遺言書の有効性を確認することができます。
遺言書は有効性を確認したうえで実行することが大切です。有効な遺言書があれば、相続や財産の分配などについてスムーズに進めることができます。
親の「相続」について、基本を知っておくことが重要
相続は、死者の財産を遺産として受け継ぐことを指します。相続には、遺産相続と債務相続の2つがあります。遺産相続は、死者が持っていた財産を受け継ぐことを指します。債務相続は、死者が残した債務を受け継ぐことを指します。
相続手続きには、遺産分割協議書の作成、遺産相続税の申告などがあります。相続手続きは、相続人である家族や友人が行うことになります。親が死ぬ前に、相続に関する情報を整理し、家族や友人に伝えておくことが望ましいです。また、遺産分割協議書を作成することで、家族間の相続トラブルを未然に防ぐこともできます。
相続の種類
相続の種類には、大きく以下２つがあります。順番に見ていきましょう。
- 遺産相続
- 債務相続
遺産相続
死亡した人の遺産（財産や資産）を相続人に引き継ぐことを指します。遺産相続には、遺言による相続や法定相続などがあります。
債務相続
死亡した人が残した債務を相続人が引き受けることを指します。債務相続には、債務があった場合に相続人がそれを負担することになります。
相続手続きのステップ
相続手続きのステップには以下のようなものがあります。
相続人の確定
死亡した人の遺産を受け継ぐ人（相続人）を確定します。
遺産の評価
死亡した人の遺産を評価し、相続財産の一覧を作成します。
相続財産の分配
相続人と遺産の評価に基づいて、遺産を分配します。
相続財産の登記
相続財産を登記し、所有権を確定します。
相続税について
相続税について、相続人が相続した財産に対して課せられる税金であり、相続財産に応じて税率が異なります。相続税の申告期限や納付期限は法律によって規定されているため、相続をする際には適切な手続きを踏んで納付することが重要です。
親が望む最期の様子や願いを聞く
親が望む最期の様子や願いを確認するため、会話をしておくことが重要です。気を遣う内容と思われがちですが、これは当然親が生きているうちにしかできないですし、親からしても自分が死んだあとで子どもたちが困ることのないようにきちんと伝えておくことは重要です。
親が望むことについては、遺言書などで明確に記載することで、遺産の分配や相続の申告もスムーズに行うことができるため、できる限り遺言書はのこすようにしましょう。
親の「介護」について
親が年配になって、介護が必要になった場合、家族や友人がそれを担当することになります。親が死ぬ前に、介護に関する情報を整理し、家族や友人に伝えておくことが望ましいです。介護には、医療介護保険や在宅介護サービスなどがあります。親が死んだ後に、それらを利用することができるように、保険証やサービスの利用申し込み方法などの情報を整理しておくことが重要です。
まとめ
以上のように、親が死ぬ前に遺言、相続、保険、財産管理、介護などに関する準備をすることが重要です。親が亡くなったときに慌てて失敗することのないように、親が死ぬ前には遺言書を書いたり、相続に関する情報を整理したり、保険や財産の管理に関する情報を整理したり、介護に関する情報を整理したりすることをおすすめします。
また、こうしたことに慣れている人はまれです。どうしたらいいかわからないという方は、専門家に相談し、一緒に手続きをすすめていくようにすると良いでしょう。
